【一軒家は環境に悪い?】ドイツでは一軒家を新たに建てることが禁止になっている地域も存在する

【一軒家は環境に悪い?】ドイツでは一軒家を新たに建てることが禁止になっている地域も存在する

ドイツでアパート・マンションなどの集合住宅に対して一軒家は長年の間、問題視されているのをご存知でしょうか?その中すでに一軒家を新たに建てることが禁止されている街もドイツには存在するのです。

その一番の大きな問題は、環境問題です。新築の一軒家を建てることはより多くの生態系を乱して、1人当たりのエネルギー消費量を増やしてしまいます。

この記事では、なんで一軒家の建築が環境に悪影響を与えるのか具体的な例と、環境にやさしい家づくりについてまとめています。

 

家を建てることは環境に悪い?

結論から言うと、家を建てることは環境に悪いです。家を建てるにはまず素材が必要で、それらは石・木材など自然由来のものである場合、例えば木が大量に必要になれば森林伐採で動物は追い出され、植物は育たず自然界の生態系が乱され、最悪の場合生態系は絶たれます。

そしてその素材を集める為のエネルギー・輸送にかかるエネルギー・加工製造にかかるエネルギーと全ての過程においてエネルギーが必要になってきます。もちろん人口素材であってもそれを製造するにはエネルギーが必要で、その過程で温室効果ガスが発生することや、細塵の発生は身体にも悪影響を及ぼします。

さらには家を建てるための土地は家を建てることによって完全に封鎖されるので、そこにある自然界の働きは絶たれ、そこが住宅地になれば交通量が増え車の排気ガスなどで二酸化炭素は増えていく一方です。

そしてこれらの問題は一軒家・集合住宅に関わらずに新しく建てる全ての建物に関する問題です。では新築の一軒家が他の建物よりも環境に悪いのはなんででしょうか?

土地に対する住居人

かなり単純計算であり1人当たりのスペースは異なりますが、ごく一般的な一軒家が2軒建つ土地を想像してみてください。その土地にマンションを建ててみましょう。前者の2つの家には2世帯しか住むことができませんが、マンションが4階建てであれば最高でも約8世帯が住むことが可能です。

日本はいい例です。住居を求める人口に対して都心にはほとんど空き地は残っていないので高層マンションがたくさん建てられています。

一方ドイツは土地がないということはありません。ドイツに訪れたことがある人なら想像しやすいように、街と街の間には必ずと言っていいほど広大な緑(自然)が広がっています。といっても自然を切り拓く必要もないほど、ドイツの大規模なオフィス街には多くの空のオフィスがあったり、かつて英軍やアメリカ軍の兵舎であった場所の近隣には空き家が存在します。

大きな一軒家に2人

例えば4人家族、両親と子どもが2人一軒家に住んでいたものが、子どもたちが何らかの理由で家を出るとしましょう。で、人が少ない分部屋が温まりにくくもなります。

エネルギー:暖房の問題

ドイツは日本に比べると夏の湿度が低いため、あのムシムシした体にへばりつくような暑さはほとんどありません。なのでエアコンがなくても窓を開けて換気すればある程度暑さをしのぐことができます。その証拠にエアコンを常備している家はそう多くありません。

しかし冬場の暖房は必須です。その暖房には化石燃料・ガス・木材が必要で、それらを燃やすと温室効果ガスが発生します。

社会的にもマイナス

住宅のために拓かれた土地と商業施設を建てるために拓かれた土地では、経済効果が全く違います。商業地域はお金を生み出しますが、住宅地はお金を生み出さずその差を広げていきます。新しい建築物にかかる助成金は多く、社会・経済的に有害な面もあるのです。(参考:Warum das Bauen verboten werden sollte

ドイツでの一軒家の新築の禁止について

ドイツでは長年「禁止」に対する反対意見が多く、様々な場所で決断に時間がかかっている中、既に一軒家を新たに建てることが禁止されている街も存在するのです。そしてなんで禁止が求められているのか一番の大きな問題はやはり環境問題なのです。

ドイツでは既に新築に対して年間1㎡あたりのエネルギー消費限度を設けているので、新しく家を建てる場合はそれを考慮した家を建てなければいけません。

環境にやさしい家をつくるには?

「環境にやさしい家」にも様々な工夫があります。例えば環境への負担を減らす素材を使うことで二酸化炭素排出量を抑えたり、長く受け継がれる家を作ることは新たな素材やエネルギーを必要としないため環境保護へとつながりますよね。

暖房ひとつにしても、暖炉など木材を使う暖房が環境への負担は少ないですが、より環境に負担をかけない太陽光・大深度地下の熱を使う選択肢もあります。

リフォーム

ドイツでも古い家はエネルギー消費効率が悪いとされている中、リフォームはコストやエネルギーがかかっても、長い目で見れば家事に使う電力などの消費エネルギーを抑えたり、耐熱効果を強めれば環境にやさしい家へと生まれ変わる良い方法のひとつです。

Passivhaus

環境にやさしい家の中に、Passivhausというものがあります。Passivは英語のPassive(受動的な、抵抗しない)と一緒の言葉です。

例えば、窓は南の方向に作って太陽を受けやすくしたり、厚い壁を作ったり、窓を三重にして外からの寒さが家の中に入ってこないように建てられます。

まさに暖房要らずの家で、電気・温水・電化製品にかかる追加のエネルギーが必要ありません。

Kfw-Effizienzhaus

Kfwはドイツ復興金融公庫の略称で、effizientは効率的なという意味です。エネルギー効率の面でドイツ復興金融公庫が定めた一定の基準を満たす建物のことを指します。家を建てるに当たって、国からの金銭面での援助があります。

Null und Plus Energie Haus

ソーラーパネルの太陽光発電システムなどで、家事に必要なエネルギーを年間平均自給エネルギーで補うことができている家をNullenergiehaus(ゼロ・エネルギーハウス)、それ以上にエネルギーを生産する家をPlusenergiehaus(プラス・エネルギーハウス)と呼びます。

Sonnenhaus

Sonneはドイツ語で太陽のことで、Sonnenhausはエネルギー需要が50%以上太陽光発電で補っている家のことを指します。

Fertighaus

プレハブ工法(プレハブこうほう)は、建築物の一部又は全ての部材をあらかじめ工場で製作し、建築現場で建物として組み立てる建築工法である。(引用:Wikipedia.jp

fertigは仕上がったなどの意味があり、日本語ではプレハブ工法と呼ぶようです。工場であらかじめ製作が行われるので、輸送エネルギーなどが削減されて、建築現場で新築を建てるよりも環境にやさしいと言われています。

一軒家は未だにたくさんの人にとって夢なのか?

「環境にやさしい家」は色々と存在するものの、冒頭にも述べたように自然しか無かった場所に人間の生活する場所を整えるためには、まずそこにある生き物に立ち退きを求めることから始まり、家ができるまではトラックなどが行き交い、生活することによってエネルギーを必要とし、何もなかった場所には交通が増えることになります。

国際化が進んで海外移住をしたりする人も少なくない中、定住覚悟で家庭を持ったら庭付きの家を建てて・・・というのは決してひと昔の考え方ではなく、今もドイツで多くの人がそんな夢(計画)を持っているようです。家の中に必要なキッチン・寝室・バスルームに加え、仕事・趣味のスペースなどを求めればどんどんと必要なスペースは増えていきます。

建物が抱える環境問題の対策

といっても家は必要です。家は寒さから守ってくれ、安心して眠る場所を与えてくれます。しかし絶対に新築は必要なのかと周りを見渡した時に、マンションに空き室があるかもしれません、まだリフォームできる家が空かもしれません。

地球温暖化など様々な自然災害が世界中で起こっている今、家をひとつ建てることは大きな(悪)影響力を持つことを理解した上で、真剣に家について考えるべきだと考えます。

学生寮とシェアハウス

集合住宅はアパートやマンションだけではありません。ドイツでは多くの大学が学生寮を持っていて、その家賃は普通に家を借りるよりもうんと安いです。幾つかの街では、大きなアパートで一人で住んでいる高齢者に向けて学生寮の部屋を提供しているようです。

またWG(Wohngemeinschaften)と呼ばれるシェアハウスを利用する人も多くいます。部屋のたくさんある賃貸をシェアするので家賃は折半で、学生だけでなく社会人でも貯金したい人や、仕事のための仮住まいなど目的は様々です。

コワーキングスペース

コワーキング(Coworking)とは、事務所スペース、会議室、打ち合わせスペースなどを共有しながら独立した仕事を行う共働ワークスタイルを指す。一般的なオフィス環境とは異なり、コワーキングを行う人々は同一の団体には雇われていないことが多い。通常、在宅勤務を行う専門職従事者や起業家、フリーランス、出張が多い職に就く者など、比較的孤立した環境で働くことになる人が興味を持つことが多い。(引用:Wikipedia.jp

コワーキングもまた広い場所を複数の人々とシェアすることで、新築を必要としない場所を有効活用できるとても良い取り組みのひとつですね。