卵は一日何個食べる?ドイツ2021年末から雄ひよこの大量殺処分を禁止

卵は一日何個食べる?ドイツ2021年末から雄ひよこの大量殺処分を禁止

最近この記事を見かけた人は多いのではないでしょうか?2021年末(参考:Ausstieg aus dem Kükentötenから雄のひよこの大量殺処分を禁止すると決定したドイツ。これは世界初の動きだそうです。

雄のひよこの殺処分?とピンとこない方には、当たり前のように消費する前に一度、普段購入している【卵】が一体どんな環境でできているのかを知ってから、購入するものを選んでほしいと思います。

この記事ではドイツのこの決定がどうして行われたのか、卵の裏側についてまとめています。

 

日本とドイツの卵の消費量

まず初めに知ってほしいのが、日本の卵消費量です。国際鶏卵委員会(IEC)の調査によると2019年度一人あたりの卵消費量で日本は2位という結果を出しています。ドイツも日本に比べれば100ほど少ないものの、他の国に比べると上位にいます。(参考:JA全農たまご株式会社

鶏卵の実態は消費の大小に関わらず直視しなければ問題ではありますが、この消費量を踏まえると、日本人・ドイツ人は大量消費者の一人としてこの問題を無視してはいけないと思いますし、背景を知ることで消費を控える人が増えるのではないかと思います。

生卵が食べられるのは日本だけ

生卵を使った代表的な食べ物「卵かけごはん」から、丼ぶり・うどん・パスタの上に生卵と、この大量消費の裏側には「生卵」が食べられるという環境にもあると思います。

日本の卵の殻は殺菌消毒されていているので、卵を調理しなくても食べることができますが、それは海外では当たり前のことではないのです。

ドイツの卵消費量

ドイツでも1人当たりの卵の消費量平均は年間235個とかなり多い方です。しかしドイツ料理で卵を使うものを連想しても何かこれだというものは思い浮かびません。(参考:Deutsche essen durchschnittlich 235 Eier im Jahr

朝食に茹で卵・スクランブルエッグや昼食の付け合わせに茹で卵などと、これは定かではありませんが、一度に食べる量が多いことがこの消費量に繋がっているのではないかと思います。

卵は一日一個まで、など日本で言われているようなことを気にしている様子はなく、一度の食事で食べるゆで卵は1つ以上と多い傾向にあるように感じます。

ドイツと日本の卵のコスト

ドイツでは卵のばら売りもよく見かけますが、パックで販売されているものは6個か10個入りが主流です。別の記事でも紹介したようにそれぞれのパックには飼い方の表示がされています。

1パックあたり地飼いのものは平均1,29ユーロ、平飼いで1,69ユーロで、Bio(オーガニック)は3ユーロ近くします。1ユーロ現在126円ほどと考えると高いですよね。(参考:Aldi und Lidl heben die Eierpreise an

日本ではどうでしょうか?特売の日では10個パックがなんと100円近くで手に入れられることも珍しくありません。しかしそれがどうしてそんなにも安く手にいられるのかを知る人はほんの一握りという点が動物の犠牲を増やしていると言っても過言ではないのではないでしょうか。

日本の卵パックはなんでプラ?

卵を産む鶏を飼育する環境、エサや土地などにかかるコストなども卵の価格に影響するのは間違いありませんが、どうやらあのパックもコスト削減に一役かっているようです。

というのも、日本の卵パックはプラでドイツでは専ら再生紙でできたパックです。日本の卵を丈夫な再生紙のパックで海外に輸出しているという事実がある以上、衛生面は両方のパックで大きな違いはないように思えます。しかし消費者が安く卵を手にいられる環境を作るためにはコストのかからないプラ容器を使うことが必要であるようです。(引用:名脇役!?知られざる【たまごパック】に込められたこだわりとは

プラ卵パックのその他の利点

改良を重ねた日本の卵パックですが、透明であることで購入前に割れている卵の有無が見えるという利点があると書いてありますが、ドイツでも卵が割れていないかパックを開けて確認して他のパックの卵と取り換えることが可能なので、透明である必要性は衛生面からでしょうか。

卵は殺菌されているので、それに多くの人が触れることが問題なのかもしれません。

実際現在日本のスーパーに並べられている野菜はほぼ全てプラ包装されています。商品の腐敗を遅くさせてより長持ちさせることや輸送の関係、と様々な理由がある中、衛生面の影響もとても大きいと感じます。それは企業の意志ではなく、消費者が求めた結果です。なんで消費者がそこまで神経質になったのかも気になるところですが、実際今ゴミの多さに不満を持っている人は少なくないのではないでしょうか。

雄のひよこの運命

安い卵の背景にはその飼育環境が大きく影響していて、多くの鶏は自由に動きまわる場所を与えられず、狭い小屋に押し込まれている現状があります。そのせいで鶏同士で傷つけ合ったり、寄生虫などの影響で病気にかかりやすくなったりと、あの白いきれいな卵からは想像できないような酷い状況で鶏は飼育されているのです。

卵を産むのは雌だけであること、卵を産むための鶏の品種は肉の生産に適さないことなどから、ふ化して間もなく雄のひよこはガスや粉砕機で処分されてしまうのです。人間が鶏を必要とすればするほど、人間によって勝手に命を宿されて雄であれば処分されるという循環は止まりません

ドイツが決定した雄ひよこ大量殺処分の禁止

ここで冒頭にも紹介した記事、ドイツが雄ひよこの大量殺処分を禁止することを決定した話になります。

ドイツでは毎年約4500万羽の雄のひよこが殺処分されていて、この現状を一律して変えるには法律を作ることだとしてこの決断に至ったようです。

内分泌学・分光法などを使って、生命体を傷つけずにふ化前の状態で雌は孵卵し続ける特性から雄か雌かを判断する方法があり、そこで識別された雄の卵はエサとして利用する計画です。(参考:Ausstieg aus dem Kükentöten

ふ化した後であると痛みを感じることが、ふ化される前に識別されることによって痛みを感じないという違いがあります。命を粗末にすることには変わりないので様々な意見があるとは思いますが、これは最終的な目標の過程の第一歩としてプラスに捕らえられることなのではないでしょうか。

卵は食べないヴィーガン・ベジタリアン

Twitterで話題になっていたヴィーガンについての動画で、「植物は五感を持っていないので痛みを感じない」という説明から、例えば火事になった時に自分の大切なペットが火事の家に取り残されていた場合、そのペットが助からなくとも、冷蔵庫の中の「命ある」野菜を先に救出するのか?という風に植物と動物について説明をしているものがありました。

個人的には腑に落ちる説明だと思ったのですが、これにも賛否両論あるのでしょう。動物愛護家が守ろうとしている動物だって他の動物を食糧とし、自然の働きの中で動物が生命を維持するためにそれが必要不可欠のようにも感じます。

しかしこの雄のひよこの事例を考えると、経済活動において必要ないからといってガスを使って殺すこと・粉砕機で痛めつけることは私たちが生命維持する中で必要不可欠な行動なのかの答えはNOです。

自分が今食べているものが一体どんな環境で目の前に置かれているのか考えることは、そんな背景を知ることに繋がります。そこからどう行動するかは個人の意思であり、納得できる理由があれば大衆に習うものでなければ強制するものでも強制されるものではないのです。