上下関係や礼儀が邪魔するもの【なんで?の話】

上下関係や礼儀が邪魔するもの【なんで?の話】
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公開日 2021年5月8日 最終更新日 2023年12月27日

二回りくらい年上の方と話していた時に「ドイツに来て驚いたことはないか」と聞かれたことがあります。

日本では稼ぎ時と言われる日曜日にドイツではお店が閉まっていること・駅に改札がないこと・電車待ちで並ばないとか、そういったことももちろんあるけど、私は「上下関係の意識の違い」を話しました。

ドイツでは仕事場で上下関係などなく自分の意見を主張すること、友人同士の会話の中でも自分の意見は必ずと言っていいほど主張する姿勢に比べ、日本では完全に上下関係を優先させた年上を敬う風潮がある影響で自分の意見をはっきりと言えないことも。

この記事では2つの国の「上下関係と礼儀」について私が勝手に感じたことをまとめています。

 

上下関係と礼儀は必要?

上下関係や礼儀というワードを聞くと、守らなければいけないもの、として考える人は少なくないはずです。相手に不快な思いをせずにいい気持ちになるため?決められたルールに従っておけば、よくできた人だと判断される?そこに感情はどれほどありますか?

日本での上下関係と礼儀

日本は上下関係が厳しく礼儀正しい国としても有名ですよね。ドイツ人にとっても「日本人は礼儀正しい」などの印象があるようです。それは日本人と関わる時や旅行などで日本に訪れたときに持った印象でしょうが、実際その背景を深く知る人はあまりいません。

日本の敬語について

日常的に使っている私たちの敬語は、歳の離れた目上の人だけでなく、学年が1つ上の「先輩」や自分の住む世界で自分よりも早くその世界にいる「先輩」、また習い事の上での「先輩」などに用いるものであり、多くの人は自然に敬語を使っています。

敬語だけでなく、丁寧語・謙譲語・ビジネス会話などなど、コミュニケーションマナーを教える先生がいるくらい日本語は奥深く、普通に生活しているだけでは知りえない言葉遣いもたくさん存在しますよね。

学校生活で習う上下関係・礼儀

やはり私は学校教育が大人になってからの習慣を形成するのに一番影響していると考えます。学校生活の中では先生がリスペクトされる位置にいて、先生には敬語を使い、先生と呼び、はい、と返事をする。仲の良い先生にタメ語で話す生徒がいると、他の大人たちは白い目で見ていませんか?

先生の意見に反対意見を言うような生徒は問題視されてしまったり、簡単に意見できない、しにくい環境にはなっていませんか。そんな環境から受け身の子どもは増え続け、自己主張することが減ってしまっています。

こんなニュースを見かけました。

 学校内では生徒だけでなく、先生も上の立場の人の圧力に勝てず発言できないような環境が。

ドイツでの上下関係と礼儀

ドイツではどうでしょうか。みなさんはドイツ人について何か思い浮かぶことはありますか?

何か際立って強い印象というのは正直ありませんが、レストランなどで日本人が礼儀正しい様子と比べると、もしかするとドイツの店員さんが愛想がないと感じることもあるかもしれません。

いらっしゃいませ、はこちらではだいたいHallo、より丁寧だとGuten Tag, Guten Abendと日常の挨拶であり、Willkommen!(ようこそ)なんて言われることはないです。客がアジア人だからといって注文する前からしかめっ面をするような店員さんもいます。日本人のように常にニコニコ笑顔を振りまくような上辺の礼儀はないですね。

ドイツでの敬語

ドイツ語は相手を指す言葉はDuかSieです。Duは友人同士・親しい間柄・さらには同僚同士で使い、Sieは目上の人・初対面の人・時々先生などに使う呼び方です。(線引きはかなり難しく曖昧)

英語はどうでしょう、もちろん丁寧に聞こえるような言い回しやその場面で使うべき単語というのはありますが、相手を呼ぶのは誰に対してもyouです。

ドイツ語は日本語のように主語を省略して話すことはできないので、対面で話すときはよっぽど避けない限り、DuかSieを使うことが自然です。

初対面の人にはまずSieで話しかけるようにしていますが、同じ年くらいの人にSieを使うのは少し不自然だったりと正式な線引きがないので困る場面もあります。

全ての上下関係が言葉の影響で生まれるわけではないですが、ほとんどの人と年齢に関係なくタメ語で話すことで、年齢のせいで距離が遠ざかることはなくなるように感じます。

ドイツの学校や職場

自分の意見や意志を主張するドイツ人の中で、意見を言わずに同調して愛想笑いなどは通用しません。ただヘラヘラしているの人なのか、自分を主張しない意見がない人だと判断されてしまうことも。

私自身、学校ではただ先生に与えられたものを消化して、教えてもらっている立場の中意見することはありませんでしたが、環境が変わってから自分で物事を考えるようになり、疑問を持つことも増え、意見を以前よりは主張できるようになりました。

上下関係や礼儀の必要性

私は上下関係というよりも、尊敬する人に対して敬意を表すこと、そんな相手が気持ちよく居られるように礼儀良く振舞いたいという心はとても大事なものだと思います。

例えば日本では多くの人が礼儀良くあるので、様々な場面で周りの人が気分よく生活できている部分もあります。

上下関係と礼儀の掛け違い

そんな上下関係・礼儀があることで自分にとってマイナスになるような圧力がかかってしまったり、言いたいことも言えなくなるような環境になってしまうと、邪魔なものでしかありません。その結果問題が解決されなかったり、自分や環境の発展にならず、若い才能を潰す結果にもつながります。

相手のことを知りもできなければ上辺の付き合いどころか、自分は完全に社会にコントロールされてしまい、結局自分では何もできないので現状維持のため、情報を集めることも無駄になるのでしないのでコントロールされるという負の循環です。

変わってきている現状

しかし今現在、そんな社会は変わろうとしているようにも感じますよね。若い人が会社を立ち上げたり、経験を積んだ人が独立してお店を開いたり、芸能人も事務所を脱退したりと目に見える動きがあちらこちらで起こっています。また良い意味でも悪い意味でも、上下関係にとらわれない自分の好きなように生きる人も増えています。

そんな中私は上下関係や礼儀が自身の発展を邪魔をするから目上の人と関わらないでおきましょう、と言いたいわけではなく、当たり前になっている礼儀や上下関係にとらわれずに色々な人と意見交換できるような環境ができれば、世の中はもっと生きやすくなるのではないかと思います。

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