目的は動物愛護だけではない。食生活以外の面も徹底された【ヴィーガン】は環境にやさしい

目的は動物愛護だけではない。食生活以外の面も徹底された【ヴィーガン】は環境にやさしい
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公開日 2021年4月21日 最終更新日 2023年12月27日

ベジタリアン・ヴィーガンというワードは日本でも今や至る所で見かけたり、聞いたりするワードとなっています。しかし人によって得る情報が偏っているために、偏見を持つ人が増えてしまったり、なんだか悪い印象を持たれているのも現実です。

ベジタリアン・ヴィーガンの生活を送る人々の目的は人それぞれです。この記事では、そんなベジタリアン・ヴィーガンについて掘り下げています。

 

ベジタリアン・ヴィーガンの目的とは何?

ただ「お肉を毛嫌いする人=ベジタリアン」というわけでは決してありません。ベジタリアン・ヴィーガンの生活を送る目的がたくさんあることはご存知でしょうか?

  • 動物を死なせることや痛めつけることを望まない道徳的な理由
  • 環境保護の為
  • 自らの健康の為
  • 宗教上の理由

環境保護を目的としたベジタリアン・ヴィーガン

ベジタリアン・ヴィーガンの選択には様々な目的があることを知ってもらったところで、取り上げたいことが環境保護に関することです。

中でも食肉の問題はとても深刻で、動物を育てる段階から食肉製造までの過程を見るとそれらが与える環境への悪影響はとても大きいのです。

食肉が与える主な環境への悪影響
  • 必要な土地の開拓(森林伐採)
  • 十分でない土地で育てられる動物による空気汚染
  • 大量の水とエサの需要
  • エサを生産する土地の開拓(森林伐採)
  • 森林伐採による生態系の働きの破壊
  • 全ての過程や問題から二酸化炭素増加

それ以外にも問題は尽きません。もちろん野菜の中にもアボカドのように大量の水を必要とする植物は大量生産を求められた国では、生活水の不足などが問題になっていたりと食肉だけが環境にとって問題であるわけではありません。

しかし食肉の需要は日本に限らず多くの国々でとても高いため、それらが与える影響はとても大きいのです。詳しく知りたい方はぜひこの記事を読んでみてください。

ベジタリアンとヴィーガン

ベジタリアンとは、肉や魚を食べずに野菜中心の食事をとる人のことを指しますが、そこから更にベジタリアンを追及したヴィーガンとは、それに加えて、卵・牛乳・ハチミツなどの動物由来のものを一切食べない人のことを指します。(参考:ベジタリアンの種類は9個!分類&実践理由を解説

ヴィーガンとベジタリアン
  • ヴィーガン=完全菜食主義者
  • ラクト・ベジタリアン=乳製品以外の動物性のものを食べない
  • ラクト・オボ・ベジタリアン=乳製品・卵以外の動物性のものを食べない
  • ペスコ・タリアン=乳製品・卵・魚以外の動物性のものを食べない
  • ポーヨ・ベジタリアン=鶏肉・乳製品・卵・魚以外の動物性のものを食べない
  • フレキシタリアン=基本的に菜食で、時に動物性のものも食べる

なんだか沢山名前が並んでいますが、自分の好きなように週1でベジタリアン料理を取り入れたり月1でお肉を取り入れたりと、自分が○○であると当てはめる義務はどこにもないのです。

完全菜食主義者ヴィーガンの定義とは?

日本語訳の完全菜食主義者というのは少し偏見を抱いてしまうように、ヴィーガンは決して野菜しか食べない人のことではありません!

ベジタリアンの中にはたくさんの定義がある中、ヴィーガンは生活に動物を犠牲にしたものを一切持ち込まない人のことを指します。動物愛護・菜食に対する意識だけでなく実は、様々な面から動物を守っています。

ヴィーガン
  • レザー(皮)・毛皮・ダウン(羽毛)・ウォール(羊毛)の動物からできた洋服や靴を持たない
  • 動物由来の成分の入った、洗剤やコスメティックまた、動物実験を経てできた商品は使わない
  • 動物を利用した経営団体、動物園・(動物の関わった)サーカス・乗馬などに行かない

この記事でヴィーガンを勧めたいわけではなく、なんでヴィーガンを選択する人が居るのか?その背景には様々な目的があることをより多くの人に知ってほしいのです。情報を集めた後に行う選択は人それぞれの自由です。

牛のお肉を美味しく食べているのに、レザー商品を使っているのに牛が殺されている現場には心を痛める矛盾、高級コスメを愛用しているけれど動物実験現場を見ていられない矛盾、豚は食べて犬はペットということが当たり前になっている世界・・・

目をそらしてはいけない現実を知って、知らない間に当たり前になっている常識を不思議に思ってください。

 

ヴィーガンの食生活

ヴィーガンの生活は動物性のものを一切持ち込まないので、食生活は全て植物由来のものになります。

  • 穀物
  • 果物
  • 野菜
  • ナッツ類

ドイツはベジタリアン・ヴィーガンの先進国と言われているだけあって、動物性のものを使わない様々な商品を簡単に買う事ができます。

豊富な植物性の飲み物

牛乳の代わりに使える植物由来のミルクは、日本でも豆乳は無調整から様々なものをミックスしたものまで存在します。ドイツは日本のようにバナナ豆乳、いちご豆乳、あずき豆乳といったバリエーションは見かけませんが、様々なブランドの豆乳、gesüßt(甘くしたもの)・ ungesüßt(甘くないもの)からバニラ・カカオとのミックスがあります。その他にも植物由来のミルクの種類はとても豊富です。

ドイツで見かける植物性ミルク

すでに豊富なバリエーションがありますが、これらのドリンクをココナッツとミックスしたり、それぞれをかけ合わせたりとここに書きあげた以上に多くのバリエーションがあります。

その中でも個人的に好きなのが、Hafer(オートミール)×Soja(大豆)の組み合わせです。これがコーヒーにばっちり合って、常温で売られている植物性ドリンクは開封前、冷蔵保存しなくてよいので我が家の倉庫に常備しています。中でもバリスタ用というのは、ミルクフォーマーで泡立てることもできて特にお気に入りです。

ヴィーガンの加工食品

ヴィーガンの商品はもはやなんでも存在するといっても過言ではありません。果物や植物由来のものをお肉にみたてたヴィーガン用のお肉をはじめ、ピザ・ウインナー・ナゲット・チーズ・・・ドイツのスーパーマーケットは、本当に様々なヴィーガン商品で溢れています。

ヴィーガンのお菓子

普段目にするお菓子と言えばチョコレートやクッキーなど動物性のバターや牛乳が使われているものも多いと思いますが、ヴィーガンのお菓子だってもちろん沢山存在します。

  • 牛乳不使用のチョコレート
  • ゼラチン不使用のグミ
  • バターや卵不使用のクッキー

あまり想像がつかず、本当に乳製品を使わずにお菓子ができるのか?と疑うようなものまでありますが、例えば世界的に有名なオレオはドイツでは、ビーガンのクッキーです。気になって日本のオレオの成分内容を見てみると、どうやら乳成分が含まれているのでヴィーガンではないようですね。もしかすると、ヴィーガン需要の高いドイツだからこそ動物性を極力使わない工夫がされているのかもしれません。

またドイツの有名なお菓子メーカーもヴィーガン商品を出していて、例えばグミのHARIBO(ハリボー)や、チョコレートのRitter Sport(リッタースポーツ)にも、一部の商品がヴィーガンなので、興味があればぜひチェックしてみてください。

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